患者様の主訴で一番多いものに「痛み」があげられます。
痛みとは、主観による部分が大きく痛みの度合いを他人と比べることはできませんし、同じ人でもその日の体調や気分でも痛みの程度が大きく変わることがあります。つまり、非常に不安定な要素を持つのが痛みなのです。
また、痛みには、内臓などの病理的な原因からくるものもあるので観察には注意が必要で、それらを鑑別する事が非常に重要なポイントになります。
痛みをコントロールするためには、痛みの原因を突き止めなくてはなりません。ご来院者に多い痛みのタイプには大別して2種類あります。
炎症による急性的な痛みと、過度な筋緊張などによる慢性的な痛みです。急性期の炎症には肉離れや挫傷などによるものが多く、施術では、受傷部位の負荷を軽減するための炎症を抑えることを第一に行います。これについてはご家庭でもアイシングや安静を保つ事などで対処する事もできます。当院では、受傷部位の負荷を軽減するために全身に対する施術を行います。
さらに、局所に対しては、必要に応じキネシオテーピング(キネシオテーピング協会認定取得)を用いて炎症を抑える施術をします。一方、患者様の訴えの中で最も多い慢性的な痛みは、カイロプラクティックの施術が最も力を発揮できる症状の一つだと言えます。
慢性痛のメカニズムを分かり易くお伝えするに、2つのフェーズに分けてご説明します。第1フェーズが「歪みの発生」、そして第2フェーズが「筋緊張が起こす痛み」です。
第1のからだの歪みは、毎日の生活の中での姿勢や動きによって気づかないうちに少しずつ積み重なって起こります。ある部分に歪みが生じると、身体全体でその姿勢に適応するように補正作用が起こります。
補正された姿勢では、無理に体を支え続けるため筋肉に大きな負荷がかかり筋肉は持続的な緊張状態になります。
筋緊張による痛み
筋肉が持続的な緊張状態にあると、その情報を受け取った脳が交感神経を緊張させます。交感神経が優位な状態は血管の収縮を起こすため血行が悪くなります。血液の流れが悪くなると細胞が酸欠状態になってしまいます。
すると、からだはその異常を知らせるために痛みを伝える物質を放出します。この物質が神経の末梢にある痛みのセンサーに取り付いて強烈な痛みを感じるようになるのです。
日々の生活の中で背中を丸くしたり、足を組んだり、片肘をテーブルに着いたりする姿勢が楽に感じることはありませんか。
それらは、身体が歪みに合わせてバランスを取ろうとして取ってしまう姿勢なのです。そのような状態が持続すると、「違和感→張り→コリ→痛み」と症状を起こしてゆくことになる場合が多々認められます。